東京大学合格 中高一貫校出身の子達が増加中?!

2019.6.15|ウインロード通信 江本のつぶやき


中高一貫校出身の東京大学合格者数が増えたという話をよく耳にするようになった。以前に比べると公立高校出身の東京大学合格者数が減ってきているらしい。ここ大分県でも10年くらい前に(公)豊府中学が設立され、向陽中学、大分中学といった私立中高一貫校も設立された。
 
当初は公立中学→公立高校進学者とそれほど差がないような感じであったが、近年の大学合格実績は目を見張る。超難関の東京大学、京都大学、国公立大学医学部医学科の名前が所狭しと並ぶ。2019年度大学入試。大分東明高校から日本最高峰の東京大学理科Ⅲ類に現役合格を果たした強者が現れた。
 
中高一貫校とはいったいどのようなカリキュラムで学習を進めているのだろうか?とても気になるところだと思います。そこで簡単ではありますが、中学1年から高校3年までの学習プランを表にしてみました。公立中学から公立高校や私立高校に進学した場合のカリキュラムも掲載しておりますので、ぜひ比較してみてください。(細かい部分が多少違っているとは思いますがご了承ください。)
 
中高一貫校の中学部と公立中学で大きなカリキュラムの違いは「数学」「英語」である。数学は「体系数学」という教科書を使用している学校が多い。この教科書は体系数学1、2(代数編、幾何編)の4分冊で中学2年生の終わりまでに、中学内容の学習が終わるようになっている。それだけでなく、公立高1生が学習する内容も散りばめられている。準拠の問題集にはじっくり考えて、ようやく解答の方針が立つ問題も多数掲載されている。
 
英語も中高一貫校用のテキストが用意されているが、大分県では「TREASURE」(Z会出版)という教科書で学んでいることが多い。このテキストは全部で5冊ありますが、そのうちの1、2を学習してしまうと中学生内容+高1初級程度の英文を学ぶことになる。もちろん中学2年生の終わりまでに、である。公立中学で学習する教科書よりもハイペースで新出単語が現れるため、油断しているとあっという間についていけなくなる。
 
このペースについていくことができれば、中学3年間で学習する内容を中2の終わりまでに習得することができ、大学入試に対して4年の学習期間を割ける。これは大きなアドバンテージである。中学3年からはもちろん、数学、英語で高1内容の学習がスタートする。加えて高校の理科(化学基礎、物理基礎、生物基礎)の学習をはじめる学校もある。
 
上記のフローチャートを見てもらうと一目瞭然だが、公立中→公立高進学者よりも1年前倒しで学習を進めていく。これが高3受験生になった時、特に理系を選択する場合は最大のメリットを発揮する。1年間受験勉強に専念する時間を取ることができるのだ。
 
公立高校の理系高3生達は10月頃まで数学Ⅲ、化学、物理、生物、社会の新単元を習い続けるのと同時に受験勉強をしていかなければならない。超難関大への現役合格を狙っているならば、新しい単元を習って「わからない」なんて言ってられないのだ。わずかな歪みがタイムロスを生むような厳しい状況で受験勉強をしていくことになる。誰もが簡単に乗り越えられるような試練ではない。
 
東京大学合格者の公立高校出身比率が減少傾向にあるのは、中高一貫校の指導プランが機能した結果だと考えられる。中学課程を急いで終わらせて、高校課程の学習に十分時間を費やし、大学入試対策を1年間かけて行うプランは難関大受験には欠かせないということだろう。
 
公立高校では十分な受験勉強の期間を確保するために、難解な高校課程を急いで終わらせようとする。授業のスピードを上げる以外、今のところ解決策はない。そのスピードはかなり優秀な子達でもきついはずだ。超難関大や国公立大学医学部医学科に現役で進学するとなると、この3年間は間違いなく過酷なものとなる。
 
また、今回は特別に「超難関大 上位合格プラン」というものをフローチャートの中に組み込んである。実はこれ、私が大学の研究所に所属していた時、研究リーダーであったSさんに聞いたものである。Sさんは東京大学理科Ⅲ類に現役合格。医学科を卒業し(米)マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学の研究員として活躍している方である。中1の時に中学内容の学習を終了し、中3の終わりまでに高校内容の学習を終了。高1からずっと大学入試対策をやっていたそうです。詳細の記述は控えさせて頂きますが、こんな学習プランで進めている人達もいるとを知っていて損はないと思います。
 
超難関大学現役合格を目指すには「中学内容の学習」をどの段階で終わらせて、高校内容の学習を始めるかがカギを握っている。
 

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