二段階中和滴定

2020.2.16|江本のつぶやき


 
化学基礎の単元に酸・塩基・中和反応という単元がある。
 

この単元はぜひ得点源にしていただきたい。というか、できて当たり前くらいに思ってもらいたい。この単元を落とすというのは「差をつけられる」という意味。差を「つける」ではなく「つけられる」ことになるから何が何でもマスターしてください。
 

とは言うものの、化学基礎の【発展】として掲載されている「二段階中和滴定」
 

これがわからなくて・・・と悩んでいる子達は多いと思います。教科書で発展内容といて扱われているため、学校で扱われないまま終わっているというのがほとんど。そんなに難しいわけではないのに、なぜか扱われない。理系の人は絶対にマスターしてくださいね。
 
 

【テーマ問題:二段階中和滴定】
水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合溶液がある。混合水溶液20mlにフェノールフタレインを加えて、0.1mol/lの希塩酸で滴定したところ、終点までに20ml希塩酸を要した(第1中和点)。次にこの滴定後の水溶液にメチルオレンジを加え、同じ希塩酸で滴定を続けたところ、終点までにさらに10mlの希塩酸を要した(第2中和点)。最初の混合水溶液の水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの物質量を求めよ。
 
 

まずは二段階中和滴定でよく出てくる物質をおさえておこう。
 

・Na2CO3 と NaOH の混合水溶液を HCl で中和する
 

・指示薬は フェノールフタレイン、メチルオレンジ
 

次に1段階目の中和点までにどんな反応をするか?
 

① NaOH + HCl → NaCl + H2O
② Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl
 

この2つの反応が第1中和点までに起こる反応。
 

優先順位がある。塩基性の強い物質から反応する(塩基性の強さ:NaOH > Na2CO3 > NaHCO3
 

①の反応が終了して、②の反応が起こる。
 

②までの反応が終了する第1中和点を判断する指示薬は「フェノールフタレイン」。
 

 

この反応が終わった段階で、まだ塩基性の物質が残っていますよね? NaHCO3 である。
 

第2中和点まではこれが反応する。確認するための指示薬は「メチルオレンジ」。
 

③ NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
 

これで問題を解く前準備は終了。
 

では、NaOH と Na2CO3 、この2つの物質量をそれぞれ x mol , y mol とおいて計算しよう。
 

難しそうですかね? ここまでくれば簡単ですよ。
 

①,②,③ の反応式をよく見てね。反応式の係数が全て1である。

 

NaOH mol = HCl mol , Na2CO3 mol = HCl mol , NaHCO3 mol = HCl mol

(※ Na2CO3 mol = NaHCO3 mol )

 

ここに問題を簡単に解くポイントがある。まとめると
 

(NaOH mol) + (Na2CO3 mol) = (HCl mol)・・・・④
 

(NaHCO3 mol) = (HCl mol)・・・・⑤
 

④式より x + y = 0.1 × 20/1000
 

⑤式より y = 0.1 × 10/1000
 

これを解くと
 

水酸化ナトリウム 1.0 × 10-3 mol 炭酸ナトリウム 1.0 × 10-3 mol

 

発展だから難しそう・・・
 

見た目が・・・
 

なんて思わずに。

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