前回の続きです。データの例は
データA’:30点、55点、60点、65点、90点 データB’:40点、45点、60点、75点、80点
を扱います。データの総数は5人、平均点は60点で共通していますが、A’の「バラつき」の方が大きく
なっています。
(4)平均との差(偏差)の2乗の合計をデータの総数で割る(=分散)
平均との差が小さい値が2つあるよりも、平均との差が大きい値が1つある方が「バラつき」が大き
いことを表現するために、平均との差の2乗を利用します。2乗した値は必ず0以上になりますので、
絶対値も不要になります。早速、データA’とB’の分散を計算してみましょう。
A’の分散={(30―60)2+(55―60)2+(60―60)2+(65―60)2+(90―60)2}÷5=1850÷5=370
B’の分散={(40―60)2+(45―60)2+(60―60)2+(75―60)2+(80―60)2}÷5=850÷5=170
これで「バラつきの大きさ」を適正に表現できる指標となりました。
この分散は「バラつきの大きさ」を表すのに便利な指標ではあるのですが、2乗したせいで元のデー
タと単位が揃わないという欠点もあります。少し違和感がありますが、元のデータの単位が(点)、分散
の単位が(点2)になるという意味です。最後に、分散を \(s^2\) とし、数学Ⅰで扱う分散を、数学Bで扱うΣ
記号を用いて表すと
$$s^2=\displaystyle\frac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(x_k-\overline{x})^2$$
になります。 文責:金藤
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