偏差値をみるときに注意しなくてはいけないのは、あくまで同じテストを受けた集団の中での位置づ
けだということです。模試の中には、20~30万人規模が受験するものもあれば、「東大模試」のよう
な特定の大学にターゲットを絞ったものもあります。当然、受験する集団が異なるので、偏差値も異な
った値になります。つまり、30万人規模の全国模試で偏差値65の人が東大模試で偏差値47ということ
もあり得ます。この場合、この2つの偏差値を比べても意味がありません。テストを受けた集団が異な
るからです。
また、模試を実施する予備校・会社によって偏差値が異なるということもよくあります。例えばA社
の模試で偏差値58だったのに、その1週間後に受けた、受験者数が同規模のB予備校の模試で偏差値63
だったという場合、1週間という短期間で実力がついたと考えるのは早計というものです。受験した集
団が同じである保証がないからです。
\(偏差値=\displaystyle\frac{自分の得点-平均点}{標準偏差}✕10+50\) ですから、テスト問題の難易度や受験した集団の質によ
り、分母の標準偏差と分子の平均点の値は当然のことながら変わってきます。冒頭で述べた通り、偏差
値は同じテストを受けた集団の中での位置づけであり、現時点での志望校までの距離を測る道具だとい
うことを念頭に置きましょう。 文責:金藤
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