「現代社会」は、従来のセンター試験が全6題36設問であるのに対し、試行調査では全6題33設問
であり、設問数はわずかに減少しましたが、ページ数は32ページから46ページと43.75%(5割近く)も
増加している上に、解答に時間を要する問題が多くを占めており、学力の高い生徒でも制限時間(60分)
で最後までたどり着くことは容易ではないと思われます。
出題形式についても、大きく異なっています。従来のセンター試験では、大問ごとに示された問題文
または会話文に下線が引かれ、それに関連する設問が列挙されていましたが、試行調査では題5問のみ
がこの形式でした。また、センター試験で大半を占めていた四択問題が減少し、組合せ問題が増えてお
り、四択問題においても単純な正誤判定は少なく、読解力や考察力を要するものとなっています。
出題範囲は「現代社会」で学ぶべき内容を逸脱することなく、高校教科書の記述を踏まえたものと言
えますが、センター試験とは異なり、多くの設問において読解力、資料分析力、考察力などが求められ
ています。二つの考え方のうちいずれかを任意に選び、それに該当する選択肢を選ぶ設問、ある考え方
に立った具体的な政策を選ぶ設問、会話文中の複数の空欄に該当する文章の組合せを選ぶ設問、課題を
探求するために必要な複数の資料の組合せを選ぶ設問などは、従来のセンター試験では見られないタイ
プのもので、丸暗記の学習では正解を選ぶことが困難な問題を出題しようという意図が強く感じられま
す。以上のように「現代社会」は難化するものと考えられます。 文責:金藤
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