さて、現状打破を中心に書いてきたが、
今度は「成長スピードを上げる」という点に注目してみよう。
実は、成長スピードを上げる効果的な方法も「マネをしてみる」である。
もちろん、自らの力で積み上げていく経験値を否定しているわけではない。
それはとても大切で、貴重なものであるとここで言っておきたい。
しかし、同じ苦労をする必要はないと思うのだ。
例えば、中学校の理科で習う「浮力の法則」
今でこそ学校、教科書、塾で簡単に知ることができるし、ちょっと勉強すれば使いこなすことができるようになる。
しかし、この「浮力の法則」・・・どうやって発見されたか知っていますか?
この法則を発見したのはアルキメデス(紀元前300年頃)という科学者である。
せっかくなのでそのエピソードを書いておきましょう。
王様は金のかたまりを貴金属商にわたして、王冠をつくらせた。やがて、注文していた王冠ができあがった。しかし、それは純金のみで作ったのかどうか・・・見ただけでは誰にもわかりませんよね?
そこで王様は、アルキメデスに命令しました。
「この王冠が純金だけで作られているか調べてくれ。」と。
アルキメデスは来る日も来る日も考え込んだ。王冠を溶かしたり、潰したりすることはできない。考えることに疲れ果ててしまったアルキメデスは風呂に入りました。
湯船に浸かった際、湯がざーっとあふれ出た。その音を聞いたアルキメデスは、世紀の大発見をしてしまったのです。「わかった!!!」
あまりにも嬉しかったアルキメデスはそのまま湯船を飛び出し、裸のまま王様の待つ宮殿に走っていったそうです。
浮力の法則を発見したのです。
純金であるかどうか調べるには、
①水をいっぱいに入れた水槽に王冠を入れる。
②あふれ出た水の量をはかる。
③王冠と同じ重さの金のかたまりを入れ、あふれ出た量をはかる。
②であふれ出た量と③であふれ出た量が同じならば、純金である。
理科の教科書であっさりと学べる浮力の法則は、アルキメデスの大変な苦労の末、発見されたものなのです。
私たちがまた王様に同じ命を受けて、同じ苦労をして発見することはありませんよね?
王様に同じ命を受けたとしても、その解決方法はアルキメデスが教えてくれているのですから。
古代にタイムスリップし、
「この王冠が純金だけできているか調べてくれ。」
言われたら即答ですね。アルキメデスもびっくりです(笑)
アルキメデスに学んでいれば、「マネをする」だけで王様に言われた難問も容易に解決できる。
自分が悩みにぶち当たった時に、ひとりで解決するのは難しいし、解決できない場合もあるだろう。
その答えは、自分以外の誰かが既に解決法を見出している場合がある。
それを学び、吸収していけば成長は早い。
さて、この続きはまた次回。
えっ?アルキメデスが調べた王冠はどうなったかって?
実は、「純金ではなかった」のです。
あふれ出た水の量が違っていたようで。
アルキメデスは王様に「この王冠は純金だけで作られたものではありません。」
と言ったそうです。
。
コメントはありません。