この単元は基礎の段階からかなり難しいため、受験校によっては学習しなくても問題ない場合もありますが・・・難関校にはよく出題されます。
そして、平衡シリーズの締めくくりにふさわしい内容だと私は勝手に思っている(笑)
学校の先生が「溶解度積」という言葉を発したとき、「ついに来たな!」と身構えて突入して欲しい。本当に!それだけ油断ならぬ単元である。
さて、そんな「溶解度積」についてちょっとだけ説明しておきましょうか。
まず、溶解度積とは「難溶性の塩の溶解平衡」である。
難溶性の塩とは「水に溶けにくい塩」のこと。
例えば、無機化学で登場したAgClが代表選手である。
「AgClは全く水に溶けないんじゃないの?」と思う人もいると思いますが
「水に溶けにくい」というのは、言い換えれば「水にわずかに溶ける」ということ。
水に難溶性の塩も、水溶液中ではわずかに電離しているわけだ。
AgCl(固)で考えてみよう。
これは水に溶けにくいため、そのほとんどが水中で固体の状態で存在する。
しかし、ほんのちょっとだが、下記のように電離している
AgCl(固) → Ag+ + Cl-
ここで質量作用の法則(化学平衡で習います)より
K=[ Ag+][Cl-] / [AgCl(固)] ・・・①
ここで、[AgCl(固)]について考えてみよう。
AgCl(固)は[ Ag+]や[Cl-]に比べると、とてつもなく大きな値である。
この値は「一定」とみなして良いレベルである。
よって、定数とみなすことにする。
① 式を変形すると
K[AgCl(固)]=[ Ag+][Cl-]
∴ Ksp = [ Ag+][Cl-] (sp : solubility product の頭文字)
飽和溶液では常に上式が成立する。
次に理解・暗記をしておくもの
Ksp > [ Ag+][Cl-]
Ksp = [ Ag+][Cl-]
Ksp < [ Ag+][Cl-]
※イオン濃度の積がKspを超えた時、沈殿が生じ始める。
この3つの式が表す意味である。
あとは、「共通イオン効果」をバッチリ理解しておくことだね。
ここまで来たら問題演習!
しかし、片端から解いていくのはダメ。量をこなしても、まだまだ効果が上がる状態になっていない。
たった3問!僕が選んだ「究極の3問」でOKだね。
(※この3問は塾生にしか教えておりませんので、ご了承ください。)
これを完璧にマスターすれば、解いた問題全てが糧となるレベルに到達する。
あとは自分の力で解いてみよう。
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