中高一貫校の体系数学、高校数学でちょくちょく出てくる「ガウス記号」。例えば [ x ] (ガウスエックス または ガウス記号エックス と読んでいるのが一般的です。)数学の学習が進んでいくと忘れたころに飛び出してくる感覚ですかね。
ところで、ガウス記号ってどんなルールか説明できますか?最難関大学の数学では「整数の性質」に絡んで出てくるため、避けては通れません。今一度ルールを確認しておきましょう。いくつか言い換えを掲載しておきますので、しっくりくるもので構いません。忘れないようにしましょうね。
[ x ]
★ nは整数で n ≦ x< n+1 を満たす
★ n は x の整数部分
★ n は x を超えない最大の整数
具体的にはこんな感じ
[ 3 ] = 3 [ -2 ] = -2 [ π ] = 3 [ – π ] = -4
恐らく、初学段階で違和感があるのは [ – π ] = -4 。これは数直線を書いて考えて見るとよくわかる。慣れていないうちは [ -π ] = -3 なんて間違いをしてしまう。もう間違わないと確信できるまで、数直線をちょっと書いて確認しながらやっていくとよい。
また、次の関係式もしっかり理解して記憶しておきましょう。まあ、理解していれば作るのはとても簡単。
a – 1 < [ a ] ≦ a ・・・①
具体的には、a=4 と考えてみましょうか。
3 < [ 4 ] ≦ 4
とみれば、①の式もうまく理解できるでしょう。
また、①式をa について 解いてみましょう。これもよく使う方法ですよ。
a-1 < [ a ] ・・・②
[ a ] ≦ a ・・・③
②より
a < [ a ] + 1 ・・・④
③、④の式を組み合わせてみると
[ a ] ≦ a < [ a ] + 1
参考書、問題集では[ a ] = N とおいて書かれていることが多い。
N ≦ a < N + 1
具体的にはこんな問題が出てくる。
実数a に対して、aを超えない最大の整数を[ a ] で表す。10000以下の正の整数 n で [ √n ] が n の約数となるものは何個あるか。(東京工業大)
下記の問題も理解するうえでとても良い問題。
(早稲田大学理工学部)
学校で習っている「整数の性質」。上記の問題を見て そんなの習っていない と思っている人もいるでしょう。
そう、教科書に載っているのはほんのわずかな内容。わからないことがあってはいけない。それをきちんと理解したうえで、自ら勉強していく領域がかなり大きいのがこの単元である。