有機化学の構造決定の問題に取り組んでいると「マルコフ二コフ則」「ザイツェフ則」(ザイチェフ則ともいう)という言葉を見かけることがあるだろう。
マルコフニコフ則(これはまた次の機会に。)も気になるだろうが、今回はザイツェフ則に絞って調べてみよう。
さてさて、このザイツェフ則ですが、ロシアのザイツェフA.M.Zaitsev(Saytzeff)により提唱された、脱離反応において多く生成するアルケンを予測するための経験則である。要するに、脱離反応が起きた時に2つの生成物ができる可能性があるのだが、多く生成する物質(主生成物)がどちらかを見分ける方法だ。
高校生は ザイツェフ則 = 水素の置換数が少ない炭素から水素が取れる法則
くらいに覚えてもらえれば問題ないが・・・これ、なんでこんなことが起こるのか気になりませんかね?
経験則といってもそれは昔の話。化学が発達した現代では論理的に説明が可能だ。
キーワードは「E2脱離反応」。
さらに、主生成物の中でも幾何異性体の話まで突っ込むと、シス( cis )形が25%程度、トランス( trans )形が75%程度生成することがわかっている。なぜこんな偏りができるのか?キーワードは「アンチペリプラナー配座」。その前に「ニューマン投影図」の学習をしてからになりますが。
これらのキーワードを調べてみよう。
もちろん塾生の皆さんには説明しますね。大学の有機化学ですが理屈は簡単ですよ。ついでに「E2脱離反応」で主生成物をコントロールする方法も一緒に。