【A】はAの約数の個数を表す。
たとえば、【4】は4の約数が{ 1, 2, 4 }の3個だから【4】=3となる。
このようなルールで次の問題を考えてみよう。
【A】=6となるような整数Aのうち、小さい方から数えて6番目の整数は?
順番に考えていってもすぐに答えは出てくるが、次の法則を頭に入れておこう。
中学生、高校生はもちろん、中学受験の算数を学習しているみなさんにとっても大切な知識です。
素因数分解をして約数の個数で整数を分類することが可能です。
たとえば約数が3個の整数は 4 , 9 , 25 , 49 などですね。
2×2 = 4 3×3 = 9 5×5 = 25 7×7 = 49
ちなみに、4×4 = 16 は? 6×6 = 36 は? と考えた人もいると思いますが、
具体的に約数を考えてみてください。
16 {1, 2, 4, 8, 16}
36 {1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, 36 }
約数は3個になりませんよね。
つまり、約数を3個持つ整数の法則は「素数 × 素数」ということだ。
(これ以降 a, b を異なる素数とする)
ちなみに「素数」とは「正の約数が 1 と自分自身の2個だけである自然数」である。
約数を3個持つ整数 = a × a
約数は{ 1, a, a × a }
同じ素数を2回かけると、約数を3個持つ整数は簡単に導けるわけだ。
ではもう少し実験してみましょう。
「 a × a × a 」ってどうなるのでしょう。
a = 2 として具体的に考えてみましょう。
2 × 2 × 2 = 8
8の約数は {1, 2, 4, 8} の4個。
ではa = 3 のときは?
3 × 3 × 3 = 27
27の約数は {1, 3, 9, 27} の4個。
また、a × b についても触れておこう。
a = 2, b = 3とすると
2 × 3 = 6
6の約数は{1, 2, 3, 6}
a = 2, b = 5とすると
2 × 5 = 10
10の約数は{1, 2, 5, 10}
約数を4個持つ整数 = a × a × a , a × b
約数は{ 1, a, a × a, a × a × a },{1, a, b, a × b }
このように考えていくと、次のようなルールが見えてくる
約数1個 1 {1}
約数2個 a {1, a}
約数3個 a × a {1, a, a × a}
約数4個 a × a × a {1, a, a × a, a × a × a}
約数4個 a × b {1, a, b, a × b}
約数5個 a × a × a × a {1, a, a × a, a × a × a, a × a × a × a}
約数6個 a × a × a × a × a {1, a, a × a, a × a × a, a × a × a × a, a × a × a × a × a}
約数6個 a × a × b {1, a, b, a × a, a × b, a × a × b}
これは覚えておこう。
では、本題に戻りましょう。
【A】=6となるような整数Aのうち、小さい方から数えて6番目の整数は?
約数が6個だから
a × a × a × a × a の場合
a = 2のとき 32
a = 3のとき 243
a × a × b の場合
a = 2, b = 3 のとき 12
a = 3, b = 2 のとき 18
a = 2, b = 5 のとき 20
a = 2, b = 7 のとき 28
a = 2, b = 11 のとき 44
a = 3, b = 5 のとき 45
これを小さい方から並べていくと
12, 18, 20, 28, 32, 44, 45, ・・・,243, ・・・
となる。よって答えは「44」となる。
知っておくと便利ですよね。