光電効果とは・・・「金属板に光を当てると電子が飛び出す現象」
光電効果により飛び出した電子のことを「光電子」と呼ぶ。波は振幅が大きいほどエネルギーが大きい。振幅の大きさは「明るい光 > 暗い光」ですよね。振幅が大きい=エネルギーが大きいということである。ところが、赤い光はどんなに明るくしても金属板から電子を飛び出させることができない。つまり、光電効果は起こらない。紫の光は暗くてもOK。光電効果が起こります。
もしも光を「波」と考えるならば、明るいほど(振幅が大きいほど)エネルギーは大きくなりますよね。赤だろうが紫だろうがそんなことは関係ないはず。だとすれば、この結果はとてもおかしいですよね。電子が飛び出すのは光の「振動数」が大きな要因となる。振動数が小さいと、どんなに明るくしても電子は飛び出さないのだ。たとえどんなに長く照射したとしてもね。
どうやら「光が波の性質しか持っていない」と考えていると、光電効果は説明できそうにもありません。
ここで出てくるのが「光量子仮説」である。
光量子仮説
・光を粒子(光量子)として考える。
・振動数νの光子は、1個あたり E=hν のエネルギーをもつ
これが1905年にアインシュタインが提唱した光量子仮説である。
・光は波だけでなく、粒子(光子という)としての性質もある
・振動数ν、波長λの光子1個あたり E=hν = hc/λ のエネルギーをもつ
(c:光の速さ 3.0×108 m/s、h:プランク定数 6.6×10-34 J・s)
・照射する光子と金属中の電子は1対1で対応する
当てる光の振動数がある振動数より大きいと電子は飛び出す。(振動数が小さいと電子は飛び出さないともいえる)
物理の最後の単元である原子分野は、何かと嫌われている。「入試で問われないだろう」なんて捨ててしまっているひともいるのですが。。。出題されないなんてないですよ。しっかり学習しておきましょうね。今回は光電効果の導入部分を紐解いてみましたが、どんな仕組みで起こっている現象なのかを考えながら学習していくことが大切です。1周目で理解できない箇所が出てくると思います。まずは1周してみてください。2周目では1周目で理解できなかったことが「なるほど!そういうことだったのか!」と腑に落ちることが増えてきます。3周目は全体像がうまくつかめて、細かい理論まで説明できるくらいになっていると思われます。たった1周ですべてを理解してしまおうなんて思わないでください。繰り返し紐解いていくことで理解が深まっていきます。
この先、光電効果の学習を進めていくと、仕事関数とは? 限界振動数とは? 阻止電圧って何?
などのキーワードに出会うことになります。ただ暗記をするのではなく、意味をしっかり理解していってほしいと思います。
(大分理系専門塾WINROAD 江本)