深く考えるための学習や、ひらめきを得るための学習を行うには、しっかりとした基礎力の訓練に加えて、「根本的な理解」が欠かせません。
たとえば、普段何気なく使っている「数学の公式」を自力で導き出すことができますか?
「sin²θ + cos²θ = 1」
三角比を学んだ高校生であれば誰もが知っている公式ですし、よく利用しますよね。でも、この公式がどのようにして成り立つのか説明できますか?
「そう言われると……わからない。」
こう答える高校生は意外と多いのではないでしょうか。とはいえ、この公式は比較的シンプルなものです(笑)。
さらに、数学Cで登場する「楕円の公式」を見てみましょう。
「x² / a² + y² / b² = 1」
基礎力をしっかり身につけていれば、この公式を使いこなすこと自体はそれほど難しくありません。
では、この楕円の公式がどのようにしてこの形になるのか、証明できますか?また、楕円の媒介変数表示
「x = a cosθ, y = b sinθ」
を自分で導き出すことは可能ですか?さらには、サイクロイド曲線の媒介変数表示
「x = a (θ − sinθ), y = a (1 − cosθ)」
を導くことはできるでしょうか?
公式の「なぜ?」について深く考えることは、数学力を飛躍的に高めるきっかけになります。
じっくりと考える力や、ひらめきを得る力を支えるのは、根本的な理解です。この理解がなければ、どんな難問に挑戦しても大きな成長は見込めません。
そもそも、公式をただ丸暗記するのは辛いですよね?意味がわからないまま覚えた公式はすぐに忘れてしまいますし、一生懸命暗記しても使わなければ「あれ、忘れてしまった……」なんてショックを受けることになります。そしてまた覚え直さなければならない……これは最悪の状況です。
しかし、根本的な理解を深めることで良いことがたくさん起こります。忘れにくくなる上に、仮に忘れたとしても、復習すればすぐに思い出せるのです。だからこそ、根本的な部分を学ぶことには非常に大きな価値があります。
(大分理系専門塾WINROAD 江本)