理科の中で、学習する内容が最も多く、合格点を取れるようになるまで時間がかかる科目――それが「化学」です。以前の「化学Ⅰ・化学Ⅱ」という区分から、「化学基礎・化学」に変更されたことで、学校で本格的に化学を学び始めるのが高校2年生からになりました。
「じゃあ、受験まで2年あるの?」と思うかもしれませんが、実際にはそんなに余裕はありません。基礎学習に2年かけるつもりでいると……その頃にはすでに大学入試は終わっています。受験勉強の時間はどこにあるんでしょう?(笑)
短い学習期間で、入試レベルまで仕上げる必要がある
多くの学校では学習期間を短縮するための工夫をしています。1年間で化学基礎・化学の全範囲を終え、高校3年生の1学期から入試問題演習に取り組むケースもあります。かなりハードですが、最低でも高3の7月までには基本学習を終わらせておくべきです。もしそれを超えてしまうと、受験に間に合わなくなる可能性が高いので、できるだけ早く教科書の内容をマスターすることをおすすめします。
化学は「やることが多い」――その意味とは?
化学の学習量が多いと言われる理由は、単に「暗記量が多い」とか「解法パターンが多い」だけではありません。実際の入試問題を見れば分かりますが、問題数が多いのに対して、制限時間が厳しいのが特徴です。そのため、次のようなトレーニングが欠かせません。
典型問題を素早く解くトレーニング
長文の問題文を読んで、必要な情報を素早く処理するトレーニング。これらの練習が不足したまま受験を迎えてしまう受験生が多いのは、容易に想像できるでしょう。化学だけでなく、他の科目も勉強しなければならないのですから、時間管理が重要になります。
化学の良い点とは?
ここまで厳しい話をしてきましたが、化学にも良い点があります。それは、入試問題の多くが「決まった解法パターン」の中から出題されるということです。確かに学習量は多いですが、典型問題を繰り返し学習することで、見ただけで瞬時に解法が思い浮かぶ問題が増えていきます。その結果、効率よく得点を積み重ねることができ、高得点を狙うことも可能です。
早めの準備 = 最大のアドバンテージ
WINROADでは中学3年生や高校1年生の段階から化学の準備を進めている生徒がいます。彼らは学校で化学の授業が始まったとき、「猛スピードで進んでいく授業を、高速復習できてとても良い」と感じているようです。一方で、新しい知識の処理に苦しんでいる生徒も少なくありません。この違いは、事前の準備をしていたかどうかです。授業を「復習の機会」にできるかどうかで、大きなアドバンテージが生まれます。
しっかりと準備を進めていきましょう!
(大分理系専門塾 WINROAD 江本)