成績が思うように伸びないお子さんの中には、
「宿題はやっているのに、なぜ成績が上がらないのだろう?」と感じているケースがあります。
学校から出された宿題も、塾から出された宿題も、きちんと期日までに提出している。
それなのに成果が出ないのはどうしてでしょうか。
理由は単純です。
「期限を守ること」だけが目的になっていて、「勉強すること」になっていないからです。
たとえば、
解答を丸写しして提出した
間違えた問題に赤ペンで答えを書き込み、あたかもやり直したかのように提出した
これでも期限は守れます。
しかし、その中身に「理解」や「努力」がなければ、成績が伸びるはずがありません。
勉強とは「×(バツ)」を「〇(マル)」に変えていくこと。
ただ答えを写すだけの作業は、勉強ではなく“ぬり絵”のようなものにすぎません。
本来なら、まずは解答をじっくり読み解いたり、参考書を使って調べたりして、自分の力で解決しようとする姿勢が必要です。その上で、どうしてもわからない部分は先生に質問する――この順序を踏むことが、学力を高める一番の近道です。
思考を止めて「誰かに教えてもらう」ことだけに頼っていると、大学入試では到底通用しません。大学入試は“受け身”の姿勢では突破できない試験です。自ら考え、粘り強く問題を解決する力を育てなければ、難関大合格は夢のままで終わってしまいます。
実際、本人も心のどこかではわかっているのです。答えを写して提出するだけでは意味がないことを。
ただ、しっかり勉強しようとすれば、どうしても忍耐が必要になります。何度解答を読み込んでも理解できない箇所に出会い、それを突破するには苦痛を伴うこともあります。
しかし、勉強に慣れている生徒ほど「わからないまま放置するのは気持ち悪い」と感じ、理解できるまで考え続けます。そして、解決できたときの喜びを知っているからこそ、努力を続けられるのです。
提出期限を守るだけでは、学力は決して伸びません。
本当に力をつけるには、「わからない」を「わかる」に変える取り組みを、一つひとつ積み重ねていくことが不可欠です。
(大分理系専門塾WINROAD 江本)

