次の(ア)〜(ス)、(ソ)〜(チ)の中に入れるべき数や式を求めよ。またセに当てはまる文章を解答群から選べ。
ただし、数式はC、V、dのうち必要なものを用いて答えよ。
1辺がa[m]の正方形の導体板A,B,C,Dを平行に並べ、
それらの間隔を左から順にd[m]、2d[m]、3d[m]とする。
ここで、dは導体板の辺の長さaと比較して十分小さいとする。
図中のS1、S2、S3、はスイッチを表している。
電源Vは電圧V[v]の直流電源であり、導体板Dは電源の負極と
ともに接地されている。(接地点の電位を基準値0[V]とする)。
また、2つの導体板A,Bを平行板コンデンサーとみなしたときの電気容量をC[F]とする。
(1) 図の最初の状態ではどの導体板にも電荷は蓄えられていない。この状態でS1のみを閉じた。
このとき、導体板A、B、C、Dの電位はそれぞれVA=V[v]、VB=(ア)×V[v]、VC=(イ)×V[v]
VD=0[v]である。導体板BとCの向かい合ったそれぞれの面に誘導される電気量はQ=(ウ)[C]で、
それらの間の空間に発生する電場は図で右向き、その強さは(エ)[v/m]である。導体板
ABCD間に蓄積されている静電エネルギーの合計はである。
AD間の電場の強さはであるから
、
、したがって
BC間の電位差はであり、BC間の電気容量は
AB間の電気容量がC[F]なので、
BC間の電気容量は したがって
(ウ)
ちなみにAB間、BC間、CD間についてはコンデンサーの直列つなぎなので
電気量は全て です。
電場の強さはAD間一様なので(エ)
蓄積された静電エネルギーの合計は
(オ)
(2) 図の最初の状態にもどる。すなわち各スイッチは開いており、どの導体板にも電荷は
蓄えられていない。
次の操作後の結果を比較しよう。
操作(a) S1を閉じ、しばらくしてS1を開く、それからS2を閉じる
操作(b) S1を閉じ、しばらくしてS2も閉じる。それからS1を開く。
初めに操作(a)による結果を考察する。操作終了後、導体板CとDの間の電場の強さは(カ)[V/m]であり、
導体板Aの電位は VAa=(キ) ×V [v]である。このとき、導体板間全体に蓄積された静電エネルギーは、
(1)のエネルギーの値の(ク)倍である。
S2 を閉じてもAB間CD間の電荷は保存されるのでAB間CD間の状態は(1)のときと同じです。
だから電場の強さは(カ)
Aの電位はです。
静電エネルギーの合計はなので
となります。
一方、操作(b)の場合、操作終了後に導体板AとBの間に発生する電場の強さは(ケ)[v/m]であり、導体板Aに
蓄えられた電気量はQb=(コ)[c]である。また導体板A、Bの電位はそれぞれVAb=(サ)×V [v]、V Bb=(シ)×V [v]
となる。この場合、導体板間全体に蓄積された静電エネルギーは、(1)のエネルギーの値の(ス)倍
である。
操作(b)の場合、導体板AとDの距離が4dとなるので電場の強さはとなります。
AB間の電位差はとなります。
ABの電位差はなのでAの電位は
となります。
静電エネルギーの合計は
したがって、2つの操作後の結果を比較すると次のような事がわかる。S2を閉じると導体板B、C間に
発生していた電場が消失するので、スイッチを閉じた直後、その分の静電エネルギーが減少する。
この時(セ)ということがいえる。
(セ)の解答群
① この現象は(a)、(b)どちらの場合でも起こるので、導体板間に蓄積される静電エネルギー
の合計は(a)、(b)で等しくなる。
② 操作(a)ではS2を閉じたときにS1は開いているので、導体板A、D間の電位差をVに保つため、
導体板B、C間で消失した静電エネルギーの一部が導体板A、Bと導体板C、D間の
静電エネルギーに加算される。
③ 操作(b)ではS2を閉じたときにS1がまだ閉じているので、導体板A、D間の電位差をVに
保つため、操作(b)の電源は、操作(a)の場合と比較して、より多くの仕事をしている。
答えは③
(3) (2)の操作後、しばらくしてS2を開き、それからS3を閉じた。このとき、導体板Cの電位は
V0=(ソ)×V [v]で、導体板BとDに蓄えられている電気量(絶対値)はそれぞれ(タ)×Qb[c]、
(チ)×Qb[c]となる。ここで、Qbは(2)のQb=(コ)[c]である。
導体板Bに帯電している電荷は
導体板A側に
導体板C側に
したがって合計帯電している。
導体板Dに帯電している電荷は
となります。
(大分理系専門塾WINROAD 首藤)