たくさん解く。覚える。演習する。――もちろん大事です。しかし、これだけでは不十分です。「たくさん勉強しているのに成績が伸びない。。。」そんなふうに感じている人もいると思います。同じようにどんどん問題を解いて、成績が伸びていく生徒との決定的な違いは何か?それは「間違えた問題を宝物として扱っているか」どうかです。
多くの人は、間違えると気分が下がります。「こんなのもできないのか」と落ち込む。あるいは、解説を読んで「なるほど」で終わる。ここが分かれ道です。間違えた問題は、あなたの弱点が“具体的な形”になって現れたもの。つまり、成績を上げるための材料そのものです。これを捨てて成績が伸びるわけがない。
では、なぜ間違えた問題がそんなに重要なのか。私が考える主な理由は二つあります。
一つ目は、点数は「できる問題」ではなく「できない問題」を減らした分だけ伸びるからです。すでにできる問題を何回解いても、伸び幅は小さい。けれど、できなかった問題ができるようになれば、そのまま得点が増えますよね。
二つ目は、間違いには必ず原因があり、原因を潰すと同じタイプの失点がまとめて減るからです。計算ミス、読み違い、公式の理解不足、典型解法の未習得、時間配分――原因を一つ直すだけで、似た失点が連鎖的に減ります。効率がいいのは、派手な勉強法ではなく、失点の根を断つ作業なのです。
ただし、ここで落とし穴があります。間違えた問題が大事なのは分かった。でも、問題が増えすぎて管理できない。どれを復習すればいいか分からない。結局、散らかって終わる。「すぐにわかるように仕分けして整理しておく」というのがとても大切である。
間違いを次の3つに仕分けする方法を紹介しておきます。(ここから自分にしっくりくるものに改良していってください。)紙でもアプリでも構いません。大事なのは、迷わない形にすること。
①即復習(今週中に潰す)
解説を読めば理解できる、あるいは手順を真似すれば解けるレベルのミス。ここは最優先です。放置すると「分かったつもり」で終わります。間違えた当日〜3日以内に解き直し、週末にもう一回。これだけで定着率が跳ね上がります。
②要練習(類題演習が必要)
理解はしたが、同じ形で出たらまた落としそうなもの。典型問題、文章題の立式、図形の補助線、英作文の型、理科の計算問題などがここです。解き直しだけでは足りないので、類題を2〜3題セットで入れます。「同じ失点を二度しない」ではなく「同じ型を自分の武器にする」というものです。
③要再学習(単元に戻る)
解説を読んでもピンと来ない、根本が抜けているもの。ここは勇気を持って単元に戻ります。例えば中学数学なら比例・反比例、一次関数、図形の基礎。高校数学なら場合分け、ベクトル、微積の基本。英語なら語彙と文法。土台が抜けていると演習量で押しても崩れます。ここを放置すると、努力が空回りします。
仕分けができたら、次は「見える化」です。おすすめの整理術は次のどれか一つで十分。
〇ミスノート(1ページ1テーマ):問題そのものは貼らず、「なぜ間違えたか」「次はどうするか」だけ書く
〇付箋・マーク法:問題集に印を付ける(例:×=赤、△=青)→復習は赤から
〇ミス箱(ファイル):コピーして“解き直し専用フォルダ”に入れる(テスト前はそこだけ回す)
ポイントは、完璧に作ることではありません。「次に勉強するとき、迷わずそこに辿り着ける」こと。勉強の効率は、集中力よりも“探す時間”を減らすことで上がります。探す作業は時間を消費してしまううえに、勉強した感まで与えてくれてやる気を削いでくれます。勉強すべきものにすぐにアクセスできる環境を作っておくことは本当に大切です。
最後に、間違いの扱い方を一言でまとめます。間違いは、あなたを否定するものではありません。伸びしろです。
間違えた問題を集め、仕分けし、整理して、短いサイクルで潰していく。これを続けた人は、必ず強くなります。
次のテストで点を上げたいなら、新しい参考書を買う前にやるべきことがあります。
「間違えた問題を、すぐ取り出せる形にしておく」。
成績優秀な人はこの状態でいることが当たり前なのです。
(大分理系専門塾WINROAD 江本)

