「できる人って、やっぱり特別なんですか?」何度も聞かれる質問です。もちろん、地頭が良い子もいます。吸収が速い子もいます。しかし、合格する子・成績が伸びる子を長年見てきて、私が確信していることがあります。「できるやつほど、基本に忠実」ということだ。
多くの人は「できる人ほど応用問題を解きまくっている」と想像します。もちろんそんな側面もありますが、本質はそこではありません。上位の子ほど「当たり前」を徹底しています。
計算の途中式を雑にしない。
用語を適当に覚えない。
本文を読まずに雰囲気で答えない。
英単語を曖昧にしない。
公式を丸暗記で済ませない。
などなど。派手さのない基本を、誰よりも丁寧にやっている。ここが強い。
なぜ基本がそんなに重要なのか。理由はシンプルです。受験は「難問を解けるか」よりも「落としてはいけない問題を落とさないか」で勝負が決まることが多いからです。合否を分けるのは、大問の最後にある難問ではなく、基本問題の取りこぼしである。(基本となる問題、落としてはいけない問題は難関校、難関学部になればなるほどレベルは高くなります)
計算ミスや条件の読み落とし。
基礎の方程式・関数・英文法の穴。
典型問題の手順の抜けや、英語の語法・単語の曖昧さ。
基本に忠実な人は、そこを落としません。だから強い。
基本を甘く見る人ほど「もっと効率の良い方法」「裏ワザ」「最短ルート」を探します。気持ちは分かります。楽に勝ちたい。短く済ませたい。けれど受験は、残念ながら“裏ワザ競技”ではありません。基本を飛ばしたまま応用に行くと、ちょっと揺さぶられただけですぐに崩壊します。模試で難しい問題が出た瞬間に、思考が止まる。時間がなくなる。焦ってミスが増える。――こういう崩れ方をします。
できる子が基本に忠実なのは合理的だからです。基本が固まると、頭の中の処理速度が上がります。例えば数学。計算や変形がスムーズなら、考えるべき部分に脳の容量を回せる。英語なら、単語と文法が固まっていれば、長文は「意味を取る作業」だけに集中できる。理科なら、原理と用語が整理されていれば、問題文の条件整理が速い。
では「基本に忠実」とは具体的に何をすることか。
1) 基本問題を“満点当たり前”にする
「分かる」ではなく「落とさない」。ケアレスミスを含めてゼロに近づける。間違えたら原因まできちんと分析する。
2) 解き方を型として固定する
その場のひらめきに頼らない。典型問題は、手順を決めて再現性を作る。再現性が点数になります。
3) 毎日の小さな反復を切らさない
計算、漢字、英単語、基礎知識。短時間でいい。毎日やる。基本は“筋トレ”なので、間隔が空くと落ちます。
基本は「簡単だから後回し」にされやすい。だから差がつく。できる子は、簡単なことほど先に片付けます。簡単なことほど先送りにしてしまうと、いつまでも穴が残る。穴がある限り、点数は天井にぶつかります。
「難しいことをやっている」ことで満足していませんか?
「落とさない基本」を積み上げていますか?
点数が上がるのはいつも地味な方です。できるやつほど基本に忠実だ。
この言葉は、センスの話ではありません。今日から誰でも実行できる、いちばん強い戦略ですね。
(大分理系専門塾WINROAD 江本)

