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大分市の化学に強い塾 | 酸化還元滴定 硫酸酸性条件下で行う理由とは?

大分市の化学に強い塾 | 酸化還元滴定 硫酸酸性条件下で行う理由とは?

酸化還元滴定の問題でいつも硫酸酸性条件下という言葉が出てくるのですが、硝酸や塩酸を使ってもいいのではないかと思ってしまします。なぜ硫酸酸性条件下なのですか?

硫酸酸性条件下で行う酸化還元滴定は「過マンガン酸カリウム」を使用する時。いつも問題でこんなフレーズを見ると思います。

「過酸化水素は硫酸酸性水溶液中で過マンガン酸カリウムと反応するが・・・」

実は過マンガン酸カリウムは酸性条件下と、中性・塩基性条件下では次のような全く違う反応をします。

 

酸性条件下の場合
MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O

中性・塩基性条件下の場合
MnO4- + 2H2O + 3e- → MnO2 + 4OH-

 

中性・塩基性条件下の反応は酸性条件下の反応ほど起こりやすくはないのですが、酸化還元滴定ではどの反応が起こっているのか、確定させないと計測できません。よって酸性条件を適用し、過マンガン酸カリウムがひとつの反応しか起こさないように制御しているわけです。
(中性・塩基性条件下の式は覚えなくていいですよ。普通は習わないから)
では、次に硝酸や塩酸を使用できないのか?という部分に入っていきましょう。結論から言えば、「使用できません。」
硝酸は酸化還元反応の半反応式でも勉強したように、濃硝酸も希硝酸も「酸化剤」(相手を酸化する働きをもっている)として働く。
(この辺は少々無機化学の知識も入っています。)
硝酸は水に溶かせば酸性を示してくれるのですが、「酸化剤」としての能力を備えているため、過酸化水素の一部を過マンガン酸カリウムではなくて、硝酸が反応してしまう恐れがあるからなんですね。
となると、酸化還元滴定を行う際に、都合が悪いわけです。
ごちゃごちゃ反応が起こっていると計測するのが難しい。

じゃあ、塩酸はどうなの?

これも残念ながら使えない。

 

塩酸は過マンガン酸カリウムによって酸化されてしまうからです。
(下の反応式も覚えなくていいよ~!参考程度に)

10Cl‐ + 2MnO4‐ +16H+ → 5Cl2 + 2Mn2+ + 8H2O

 

こんなわけで、塩酸で酸性条件にするわけにはいかないのです。
よって酸化作用のない硫酸が使われるんですね。
(濃硫酸は酸化作用がありますよ。希硫酸になると酸化力は失われます。正確にはほとんどないというのがいいけれども。)

 

と、まあこんなところかな?うまく説明できているかわかりませんが・・・
最重要ポイントは「制御する」ですね。

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winroadoita

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