フェノールフタレインが赤色に変色したあと無色になる理由は?
さて、考えてみましたか?まず、ヒントとして与えていた空気中にある気体のうち、どれが関わってくるかを考えてみよう。答えは「二酸化炭素」である。
では本題に入りましょうか。
フェノールフタレインは pH 8.3~9.8で変色する指示薬だ。この指示薬は主に弱酸を強塩基で中和滴定するときに登場します。中和点で赤色(薄いピンク色と言ったほうがいいかな?)に変色したとき、水溶液はわずかに塩基性を示す。
空気中には「CO2」が存在する。二酸化炭素は非金属 + 酸素の化合物なので酸性酸化物。水に溶けて炭酸になり、その一部が電離する。
① CO2 + H2O → H2CO3
② H2CO3 → H+ + HCO3‐
③ OH- + CO2 → HCO3-
上の反応式のようにCO2は水に溶けて弱酸性を示す。塩基性水溶液では中和反応を起こす。つまり、水酸化物イオンと次のように反応してpH を小さくするのです。
さてまとめてみましょう。
弱酸を強塩基で滴定すると、ほとんどの期間が酸性の水溶液である。この場合、二酸化炭素は水に溶けません。その理由は化学平衡を勉強するとわかるようになります。中和滴定を進めていくと、中和点付近ですこし塩基性になる。すると、③の反応が起こりやすくなる。
一度フェノールフタレインが赤色になっても、二酸化炭素が溶けて反応してpHが小さくなる。そして変色域から外れてしまい無色に戻ってしまうのです。