【コーシー・シュワルツの不等式】というものを数学の参考書で見たことがあると思います。
ざっと紹介すると、下記のようなものである。
(a2 + b2)(x2 + y2) ≧ (ax + by)2
等号成立は x/a = y/b のとき
(a2 + b2 + c2)(x2 + y2 + z2) ≧ (ax + by + cz)2
等号成立は x/a = y/b = z/c のとき
これ、文字がごちゃごちゃしているため、参考書で出会ってもスルーしてしまっている場合が多い。作り方はとても簡単。ベクトルの内積公式があるよね?それを利用すればこの不等式は証明できる。プラス、簡単に暗記できてしまいます。
暗記して何か得することがあるのか??
そうだね、下記のような問題に利用できる。
(問)5x + y = 6 のとき x2+y2の最小値を求めよ。
この問題を見たときに、大抵の場合 y=-5x+6 と変形して x2+y2 の式に代入、と考えるでしょう。2次関数で解くことができる。でも・・・5x が入っているし、計算がめんどうな感じがするよね?
では、これをコーシー・シュワルツの不等式を利用して解いてみよう。
5x+y = 6より a=5 , b=1
(52+12)(x2+y2)≧(5・x+1・y)2
5・x+1・y = 5x+y = 6 だから
26(x2+y2)≧(6)2
26(x2+y2)≧36
13(x2+y2)≧18
x2+y2≧18/13
つまり、最小値は18/13とわかる。
等号成立は x/5 = y/1 のとき。5x+y = 6と合わせて x = 15/13 、y = 3/13 となる。
煩わしい計算をショートカットできちゃいましたね。
知っていればお得ということです。