教科書ではこの式がいきなり現れて、どうやったらこんな式になるのか?導出についての解説が不十分である場合が多い。ここで困っちゃう子が続出するわけです。現高1生は大学入学共通テストに数学Cが入ることが決まっているため、2次曲線は文系の子達も避けることはできない。「理系じゃないから」なんて言っている場合じゃない。
放物線の媒介変数表示はとても覚えにくい。私も今でこそ即答できるわけだが、 y=2pt , x=pt2 という媒介変数表示の式を最初から丸暗記しておこうとしたわけではない。「導出法」を頭に入れておいて、繰り返していくうちに自然と覚えてしまったと言ったほうがいいでしょう。この導出法を理解しておけばすぐに使えるようになります。簡単ですから理解しておきましょう。
(導き方)
y2=4px(ただしp≠0)
y=t とおく。
t2=4px
x=t2/4p
よって y=t , x=t2/4p となり放物線の媒介変数表示が完成。
(かたちは違うけれども、これも媒介変数表示の式ですよ)
これを見ながらx にある「4p」が約分されてなくなるようにyの値を調整する。
y=2pt とおく。
(2pt)2=4px
4p2t2=4px
p≠0より約分して
pt2=x
よって y=2pt, x=pt2 となり、教科書に掲載されている放物線の媒介変数表示ができるわけだ。
覚えにくい公式を英単語のように覚え込んでも、忘れてしまい使えない場合が多々ある。
例えば、数学Ⅱの発展や研究のページで掲載されている三角関数の「積和の公式」「和積の公式」。
あれも丸暗記しようとしても、なかなか難しいですよね。加法定理から導き出す練習を何回かしておくと、式のイメージが出来上がり、特徴が掴めてくる。そうするといちいち導出しなくても使えるようになるわけで。文系だから「積和の公式」「和積の公式」は使えなくても良いなんて、情けないこと言わずにしっかりやっておくべき。
・・・数学Ⅲの積分をやっているのに、三角関数の「積和の公式」「和積の公式」があやふやな人はヤバイですよ。積分の計算トレーニングが足りていないですよ。
公式をただ覚えるのではなくて、どうやって導かれたのかを理解するようにしてくださいね。
この点を気にしながら学習を進めている人と、ただ単に暗記して使っている人とでは大きな差が生まれてきます。
いつも何気なく使っている公式を証明せよ という問題。
ぱっと思いつくだけでも、大阪大学(点と直線の距離の証明)や九州大学(Σの公式の証明)の2次試験で出題されたことがある。普段から公式の導出を気にして勉強している人ならば完答。得点源になる。大きいですよね。