ド・ブロイの波は、ルイ・ド・ブロイによって提唱された量子力学の基本的な概念で、物質粒子が波動性を持つとするものです。この考え方は、通常波動性は光などの波動と関連していると考えられていた中で、物質も波動性を示す可能性があるというものだ。
ド・ブロイは、光が粒子性を持つとされる光子が波動性も同時に持つことに着想を得て、粒子も波動性を有すると仮定した。その結果、物質粒子(例:電子、中性子など)の運動や挙動は、粒子としての性質だけでなく、波としての性質も示すことになる。
具体的には、ド・ブロイ波動長(de Broglie wavelength)は以下のように表される
λ=h/p
λ はド・ブロイ波動長、h はプランク定数、p は物体の運動量。この式は、物体の運動量が小さいほど波動性が顕著に現れることを示している。
ド・ブロイの波動性の概念は、物質の微視的な挙動を理解する上で重要であり、波動と粒子の二重性(波粒二重性)は量子力学の基本的な原理の一つとして確立されました。これにより、電子の波動性による干渉や回折が実験的に観察され、物理学の新しい理論体系が構築される契機となった。