人権作文の書き方その①

2014.5.17|国語通信(記述・読解・小論文)

中学生の夏休みの課題に人権作文があるようです。ほとんどが登校日の8月6日までの提出となっている中学校も多いので、毎年夏休みになると、唸りながら原稿用紙に向かっている方も多いと思います。そこで、今回は「人権作文の書き方シリーズ」を書いていきたいと思います。困っている中学生や高校生のみんなは参考にしてくださいね。
人権作文の書き方シリーズその①

「人権作文って何なの? っていうか人権って何?」

 

まず、人権作文を書く前に人権とは何かということを理解しなければならないと思います。人権とは人間の権利のことです。…って当たり前すぎて答えになっていませんね。

 

簡単に言うと、これは人間らしく生きるために必要なすべての権利のことです。人はみな、生まれながらにして、この権利を持っているということが私たちの住む日本の憲法によって保障されています。

 

一言で人権といっても様々な権利があります。雨風を防ぎ、寒さに凍えることなく安心して暮らしていくための家や、飢えて死ぬことのない程度に食べ物や水があること。

 

そして、だれもが差別されることなく学校に通い学ぶことができることは、だれしも生きていくのに最低限必要なことだと考えますよね。つまり、自由にものが言えて、好きなものを信じることができて、教育を平等に受けられることや、 働く権利があり自由に職業が選べること。健康で文化的な最低限度の生活が送れること。

それが日本国憲法の保障する基本的人権です。

しかし、これは日本をはじめとする先進国だけの話であり、発展途上国ではまだまだ守られてはいません。
それに日本でもまだまだ問題は山積みです。

では日本で、あるいは世界でどんな人権問題が起きているのでしょうか。

たとえば、以前に熱戦を繰り広げて話題になったロンドンオリンピックの日本のサッカー代表チームでも問題が発生しました。それは飛行機の座席に関してのことです。男子代表はビジネスクラスでしたが、女子代表はエコノミークラス(プレミアムエコノミー)だったということで、男女差別ではないかと海外のメディアで話題になりました。これは「女性の人権問題」として語ることができると思います。
実は日本は先進国の中で男女の性差別に関して遅れていることで有名なのです。日本のメディアはこういう問題提起はあまりしませんよね。 おそらく日本のメディア自体がまだまだ男社会なのでしょう。実はそれこそが問題なのですが。

 

また、最近ニュースで聞くことの多い「いじめ」や「児童虐待」は子どもの人権問題です。他にも、高齢者、障害者の人権問題、外国人の人権問題、3.11の東日本大震災がらみの人権問題(いわゆる福島差別)もそうですし、ホームレスなどの問題もありますね。ざっと思いつくかぎり挙げてみましたが、まだまだ調べればたくさんあります。

 

何を書くべきかで困っている人はこれらの中から、自分により身近なものを選ぶと良いでしょう。

 

最後になりましたが、人権作文というのはこれらの問題に対して、自分の体験談やそこから感じた意見や問題についての解決策を述べ、よりよい世界をつくるための提案をするものです。実現可能かどうかを気にすることはありません。それは大人の仕事です。どうすればみんながハッピーになれるのかを考えることが大事なのだと思いますよ。
具体的な書き方については次回に続きます。

その➁はこちら

 

荘園校 戸高

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