調査結果公表
見えてきた
今後の課題
別府市大分市の学習塾、進学予備校ウインロード別府校の西村です。
文部科学省が、2022年4月に全国的に子供たちの学力状況を
把握するため「全国学力・学習状況調査」を実施しました。
先日、その調査結果報告が発表されましたのでお知らせします。
この調査の目的は、
①義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から全国的な
児童生徒の学力や、学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と
課題を検証しその改善を図る。
②学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善の
ために役立てる。
③そのような取り組みを通して、教育に関する継続的な検証改善
サイクルを確立する。
ためとなっています。(文部科学省HPより)
調査の対象は、小学校6年生と中学校3年生です。
今回、調査によって浮き彫りとなった課題について書いて行こうと思います。
●小学生 国語
・相手とのつながりをつくる言葉の働きを捉えること。
話し手と聞き手の間に好ましい関係を築き、継続させるための言葉選びを考える必要がある。
・感想や意見を伝え合うことを通して、自分の文章の良さを見付けること。
設問は、「文章の良さ」を具体的に答えるものだが、条件に合う言葉や文を取り上げている
ものの、「~と書いたところが良かった」など、文章の書き方の良さについて適切な答え方
ではないものが多かった。(全体の28.3%)
●小学生 算数
・目的に合った円グラフを選び、情報を正確に読み取ること。
目的に合った円グラフは選べているが、最も割合の大きいものを選び間違う回答が多かった。
(全体の12.8%)
・数量が変わっても割合は変わらないことを理解すること。
果汁20%の飲み物を二人で分けた場合、一人分の飲み物に含まれる果汁は10%になると誤って
捉えている回答が目立った。(全体の67.7%)
●小学生 理科
・気づいたことをもとに、分析して解釈し、適切な問題を見いだすこと。
昆虫と主な食べ物についての表と「気づいたこと」の例をみて、植物も動物も両方食べる昆虫
の幼虫がいるのだろうかという、問題を見いだすことができなかった。
・知識を日常生活に関連付けて理解すること。
日光が直進するといった、光の性質について理解できていなかったり、知識と問題の状況が
結びついていなかったりする回答が多く見られた。(全体の72.1%)
●中学生 国語
・自分の考えが伝わるように、根拠を明確にするために必要な情報を資料から引用すること。
「スマート農業の効果」をウェブページにある資料の一部から、必要な情報を引用し書き加える際、
引用部分を「」などで、明確にわかるように表記し、文章をそのまま抜き出すことができない回答が
多くあった。(全体の40.4%)
・話し方の工夫について自分で考えること。
聞き手の興味・関心などを考慮して、表現を工夫する問題。
友達から得た具体的な助言を活かして、スピーチの一部の表現を工夫する。
●中学生 数学
・「箱ひげ図」からデータの分布の特徴を読み取ること。
箱ひげ図の箱が示す区間に含まれているデータの個数と散らばりの程度について正しく述べたものを
選ぶ問題。箱ひげ図の箱は、第1四分位数から第3四分位数までなので、データの個数はおよそ半分
であるのに対し、箱部分が短いとデータの個数が少ないと捉えた回答が多く見られた。
(全体の46%)
・日常的な事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明すること。
二酸化炭素削減量の目標を達成するまでの日数を求める方法を、式・グラフ・表などを用いて説明
する問題。比例のグラフで y=300の時の xの値を読み取ることを明示して説明することができなか
った。
●中学生 理科
・他者の考えの妥当性を検討したり、実験の計画が適切か検討して改善すること。
実験で得られた考察の妥当性を高めるために、測定値の増やし方について測定する間隔や範囲の視点
から実験の計画を検討して改善できるかどうかをみる問題。具体的な間隔や、上限を示した実験の
計画を立てることができない回答が見られた。
・実験の計画における条件の制御については改善が見られた。
平成27年度出題(正答率39.6%)の類題としてタッチパネルを科学的に探究し、変える条件と変え
ない条件を制御し、実験を計画する問題を出題したが、今回の結果からは、実験の計画における
条件の制御について改善の状況が見られる。(正答率78.8%)
詳細な資料は国立教育政策研究所HPに資料がありますので、
一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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