公立高校入試は「本番の得点」が全てではない

2016.7.21|ウインロード通信 江本のつぶやき


公立高校に行ってもらいたい!中学生の保護者の方の大半がそう考えていると思います。最近は部活動が落ち着いてから塾に通い始める子達が増えてきている。

 

この記事を読んでいただいている方にも、中学入学時点で「中1、中2は部活動を頑張って、中3の夏から受験に向けて塾に通い始める。短期間で勉強させて公立高校入学!」という計画を立てている方も多いのではないでしょうか。もちろん、それが悪いとは言いません。しかし、そんなご家庭の方達にも絶対に知っておいて欲しいことがあります。

 

【重要】大分県の公立高校入試は「本番の得点」だけが合否を決めるのではない

 

もうご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、大分県の公立高校入試の合否の決め方は、入試本番の「5教科得点」だけでなく「内申点」も加味されています。内申点は中1から中3までの定期考査の得点、生活態度、宿題の提出状況などあらゆる面から評価された「通知表」に基づいて算出される。

 

今年の中学3年生までは従来通りの内申点の算出方法で行う。つまり、中学3年生時点の頑張りが大きく評価される格好だ。ものすごく頑張れば、中1、中2で振るわなかった内申点を大改造することも可能だ。

 

しかし、現在、中学2年生以下の学年からは内申点の算出方法が変わる。(大分県教育委員会のHPでも公開されています。)簡単に言ってしまうと、中1、中2、中3の頑張りが均等に評価されるようになったのだ。中1の時から一生懸命頑張っていないと、内申点を確保できなくなってしまう仕組みだ。受験学年の頑張りを評価する救済措置の領域が減少したと考えていいでしょう。「継続的に勉強に取り組んでいるか?」というのが益々問われてきているように見える。

 

これまでは勉強そっちのけで部活動に集中する時期を作ることができたかもしれない。しかし、中2以降の学年はその時期を作ってしまうことで、内申点に影響を与えてしまう可能性があることを否定できない。公立高校入試への影響が気になる。

 

そうは言っても内申点で合否が決まることなんて・・・入試本番でしっかり得点を取ることが出来れば合格するんじゃないの?

 

そうですね、内申点の影響を感じさせないほど得点できれば問題ありません。確実に高得点を取れる力を身につけているのであれば大丈夫でしょう。現に、そうやって合格を勝ち取っていった子達もいますから。

 

しかし、これからお伝えする内容を見ていただけますか?大分のとある公立高校入試(5教科300点満点)でこんなことが起きているのです。

 

入試本番得点 188点 不合格

入試本番得点 135点 合格

 

「えっ?」と思われる方がほとんどではないかと思います。もちろん、この点数は同じ公立高校を受験した2人の得点です。入試本番の得点差は53点。目を疑うような内容ですが、これが「内申点」の恐ろしさ。これだけの得点差をもってしても内申点の溝を埋めることができなかったのです。

 

各高校の入試得点の「ボーダーライン」はあくまで目安です。持ち合わせている内申点により、入試本番で超えなければならないボーダーラインは個人で違っていると考えられますよね。つまり「公立高校入試のボーダーラインは中1からの努力評価で個々に決まる」と推定されます。中2以降の学年はさらに厳しさが増すでしょう。瞬発的な努力よりも継続的な努力を評価する形に変わってきていますから。(上記はほんの一例です。このような得点差で合否が決まっているケースは他にもあります。)

 

教育大改革がスタートし、評価の仕方も見直されています。「試験1発勝負ではわからない。そこまでの努力も評価して欲しい」と叫ばれてきました。その第一歩ですね。反面、普段から意識して頑張っていかなければ取り返しのつかない状態になりかねません。我が子の定期試験の得点、生活態度、課題の提出状況、通知表の評価にはこれまで以上に慎重になり、目を光らせておく必要がありそうです。

Follow me!

コメント一覧

コメントはありません。

この記事にコメント

コメントは締め切られました。

PAGE TOP