令和8年度 大分県立高校入試 理科解説

2026.3.10|ウインロード通信

令和8年度(一次入試)理科の解説

【1】 植物・力学・地震・電池

(1) 植物の分類と受粉

① シダ植物やコケ植物のように種子をつくらない植物は、胞子によって増えます。

② 被子植物の単子葉類には、葉脈が並行で根がひげ根であるユリ(エ)が該当します。

③ 虫媒花は、昆虫に花粉を運んでもらうために、花粉がベタベタしていることが多いのが特徴です(イ)。

(2) 水中の物体にはたらく力

① 水中の物体に上向きにはたらく力を浮力といいます。

② 物体Aの質量は、水を入れた容器全体の質量(200g)と、物体Aを底に沈めた時の質量(470g)の差から、470 – 200 = 270g と求められます。

③ 図2では、電子てんびんの数値が300gとなっており、容器+水(200g)より100g増加しています。これは物体Aにはたらく浮力の反作用がてんびんを押し下げているためで、100g分の力、つまり1.0Nの浮力がはたらいていることを示しています。

(3) 地震の計算

① 地震そのものの規模を表す尺度はマグニチュードです。

② 地点X(60km)へのP波到達が8:05:20、地点Y(120km)への到達が8:05:30なので、P波は10秒で60km進みます(速さ6km/s)。よって、60km離れた地点Xに届くのに10秒かかるため、発生時刻は8:05:20の10秒前である8時5分10秒です。

③ 初期微動継続時間(PS時間)が20秒の地点を求めます。図4より地点X(60km)のPS時間は5秒です。PS時間は震源距離に比例するため、5秒で60kmなら、20秒ではその4倍の240kmとなります。

(4)ダニエル電池の仕組みと反応

この問題は、硫酸亜鉛水溶液と硫酸銅水溶液を用いたダニエル電池の反応と、電流の向きについての理解を問うものです。

① 硫酸銅水溶液の変化 プロペラ付きモーターが回転し続ける(放電する)と、硫酸銅水溶液中の銅イオン(Cu^{2+})が電子を受け取って銅(Cu)となり、銅板の表面に付着します。その結果、水溶液中の銅イオンの数が減るため、銅イオン由来の青色が薄くなります。したがって、正解は イ(銅イオンが減り、色がうすくなった)です。

② 銅板で起こる化学反応 銅板(陽極)では、水溶液中の銅イオンが、導線を伝わってきた電子(e^-)を受け取って、金属の銅に変化する反応が起こっています。化学反応式は Cu^{2+} + 2e^- → Cu と表されます。

③ 電流の流れる向き ダニエル電池では、亜鉛板がマイナス極(電子を放出する側)、銅板がプラス極(電子を受け取る側)となります。電子は亜鉛板から銅板へ向かって流れますが、電流の向きは電子の流れと逆になるため、プラス極である銅板からマイナス極である亜鉛板へと流れます。図5の矢印でこれを示すと、銅板から出発している イ の向きになります。

【2】 人体のつくりと刺激・反応・音の性質

この大問は、音の伝わり方や耳の構造、刺激に対する反応の仕組みについての問題です。

Ⅰ 音の伝わり方と耳のつくり

(1) 刺激を受け取る体の部分 まわりのさまざまな状態を刺激として受け取ることができる体の部分(目、耳、鼻、舌、皮膚など)を、まとめて感覚器官といいます。

(2) 耳の内部構造(Xの名称) 図2のXは、音の振動を受け取る細胞が集まっている螺旋状の器官で、うずまき管といいます。

(3) 音の性質 音は空気中だけでなく、液体や固体の中でも伝わります。一般的に、音は空気中よりも液体や固体の中の方が速く伝わるという性質があります。そのため、正解はです。

(4) 反射の例 刺激に対して意識に関係なく起こる反応を「反射」といいます。選択肢の中で反射に該当するのは、「熱いものに手がふれ、思わず手を引っ込めた」という反応である です。他の選択肢はすべて「脳」で判断して行動する意識的な反応です。

(5) 音が伝わる時間の計算 音の速さを340m/sとすると、100m離れた場所に届く時間は「距離 ÷ 速さ」で求められます。 となり、四捨五入しておよそ 0.3秒(イ) です。

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Ⅱ 刺激に対する反応時間と筋肉

(6) 刺激と命令の信号が伝わる経路 意識的な反応の場合、信号は「皮ふ(感覚器官)→ 感覚神経 → せきずい → 脳(判断) → せきずい → 運動神経 → 筋肉(運動器官)」という経路を辿ります。これに合致する図は です。

(7) 腕をのばすときの筋肉の動き 図4において、腕を曲げるときは筋肉A(上腕二頭筋)が縮み、筋肉B(上腕三頭筋)がゆるみます。逆に腕をのばすときは、筋肉Aが緩んで、筋肉Bが縮みます。正解は です。

(8) 1人あたりの反応時間の平均 表1の3回の記録の合計は 2.79+2.56+2.19=7.54秒です。 3回の平均値は 7.54÷3≒2.513秒となります。 これは10人分(信号が10人を一周する時間)なので、1人あたりの時間は 2.513÷10=0.2513…秒。 小数第二位まで求めると 0.25秒 になります,。

(9) 自転車の停止距離の比較 空走距離(反応時間0.8秒の間に進む距離)と制動距離(ブレーキをかけてから止まるまでの距離)を考えます。

    • 3m/sのとき:空走距離は 3×0.8=2.4m。停止距離が4.0mなので、制動距離は 4.0-2.4=1.6m。
    • 5m/sのとき:空走距離は 5×0.8=4.0m。停止距離が8.4mなので、制動距離は 8.4-4.0=4.4m。 5m/sのときの制動距離(4.4m)は3m/sのとき(1.6m)の何倍かを計算すると、 4.4÷1.6=2.75となります。 小数第一位まで求めると 2.8倍 です,。

【3】 天体(太陽の動きと季節の変化)

(1) 太陽の見かけの動き

地球が自転しているために、太陽が東から昇って西に沈むように見える1日の動きを日周運動といいます。

(2) 季節による日の出の変化(4月〜5月)

春分の日(3月)から夏至(6月)に向かう時期、日の出の位置は次第に北寄りに移動し、日の出の時刻は早くなります。したがって、正解はです。

(3) 季節の変化が起こる理由

地球が、公転面に垂直な方向に対して、地軸が23.4° 傾いたまま公転しているため、太陽の南中高度や昼夜の長さが変化します。

(4) 日の出位置が同じ時期

4月20日(春分の約1か月後)と日の出の位置がほぼ同じになるのは、夏至を挟んで反対側に位置する8月下旬(秋分の約1か月前)です。正解は です。

(5) 夏至の日の地球の様子

① 日の出:北半球が太陽側に傾いており、北に行くほど早く朝が来る様子を表す が適当です。

② 日の入り:北半球で昼の時間が長く、北に行くほど遅くまで明るい様子を表す が適当です。

(6) 資料(表1)の読み取り

冬至の日のデータを見ると、地点Bと地点Dはどちらも日の出が7:19で、日の入りも17:15と同じ時刻になっています。このことから、「冬至の日の日の出の時刻が同じ地点であれば、日の入りの時刻も同じである」といえるため、正解は です。

(7) 地点Eの日の出時刻

図3の「昼夜の境界線」は冬至の日の日の出の瞬間を表しています。地点Eは地点Aよりも東に位置しています。一般に東にある地点ほど日の出は早くなるため、地点Eの日の出時刻は地点Aと比べて早いと考えられます。正解は です。

【4】 電流・電圧・熱量に関する問題

Ⅰ 回路と電流・電圧(オームの法則)

  • (1) 電熱線Yを流れる電流 図1の並列回路において、電源電圧が10Vのとき、回路全体(点P)を流れる電流は2.50A、電熱線Xを流れる電流は0.50Aです。並列回路では「全体の電流 = 各枝を流れる電流の和」となるため、電熱線Yを流れる電流は 2.50 – 0.50 = 2.00A となります。
  • (2) 電熱線Yの抵抗 オームの法則(抵抗 = 電圧 ÷ 電流)を用います。並列回路なので電熱線Yにも電源と同じ10Vの電圧がかかっています。よって、10V ÷2.00A = 5Ω です。
  • (3) 電圧と電流の関係グラフ 電熱線Yの抵抗は5Ωで一定(比例関係)なので、グラフは原点を通り、電圧5.0Vのときに電流1.0Aを通る直線(傾き0.2)になります。
  • (4) 消費電力の比較
    • 並列回路 のとき:電熱線Xには10Vかかり、0.50A流れるので、消費電力は 10V × 0.50A = 5.0W です。
    • 直列回路 のとき:点Qを流れる電流が0.40Aのとき、電熱線Xを流れる電流も0.40Aです。表1より電熱線Xの抵抗は 2.0V ÷ 0.10A = 20Ω なので、ここでの消費電力は 8V × 0.4A = 3.2W となります。
    • 比較:3.2W ÷ 5.0W = 0.64 です。

Ⅱ 熱量と電力(電気ケトルの実験)

  • (5) 発生した熱量 熱量(J) = 電力(W) × 時間(秒) で求めます。2分間は120秒なので、1200W × 120秒 = 144,000J です。
  • (6) 水以外に使われた熱量(熱のロス)
    • 水1000gが2分間で20℃から50℃まで上昇したため、上昇温度は30℃です。
    • 水が得た熱量は 1000g × 30℃ × 4.2J/g・℃ = 126,000J です。
    • 発生した全熱量との差が、水以外(容器や空気など)に逃げた熱量です。144,000 – 126,000 = 18,000J となります。
  • (7) ① 電力量の合計(kWh)
    • テレビ:40W × 5時間 = 200Wh。
    • 電気ケトル:5分間を3回なので計15分(0.25時間)。1200W × 0.25時間 = 300Wh。
    • 合計:200 + 300 = 500Wh = 0.5kWh です。
  • (7) ② 電気ストーブの消費電力 電源タップの容量は100Vで15A(=合計1500Wまで)です。テレビ(40W)とケトル(1200W)とストーブを同時に使ってブレーカーが落ちた(1500Wを超えた)ということは、40 + 1200 + ストーブ > 1500 という関係が成り立ちます。これを解くと ストーブ > 260 となり、少なくとも 260W であるといえます。

【5】 物質の性質・密度に関する問題

Ⅰ 状態変化と粒子(ろうの実験)

  • (1) 氷の融解中の温度 純粋な物質が固体から液体に変化し(融け)始めてから、すべて液体になるまで、加熱を続けても温度は一定(変わらない)に保たれます。これは、加えられた熱が状態変化のために使われるからです。したがって、正解はです。
  • (2) 状態変化と粒子 物質が状態変化しても、それを構成する粒子の大きさ自体は変化しません(b:変化せず)。液体から固体に変化するとき、粒子は規則正しく並び、その場で穏やかに振動するようになります(c:ウ)。正解は です。
  • (3) ろうの状態変化による質量・体積・密度の変化 実験の結果から、ろうが液体から固体になっても容器全体の質量(102.1g)は変わらないため、質量は一定です。一方、液面の中心がくぼんだことから体積は減少したことがわかります。密度は「質量 ÷ 体積」で求められるため、質量が変わらず体積が減ると、密度は大きくなります。正解は です。
  • (4) 固体と液体のろうの沈み方 (3)で考察した通り、固体の方が液体よりも密度が大きいため、液体のろうの中に固体のろうを入れると底に沈みます。よって、適切な図は です。

Ⅱ 金属の密度と計量

  • (5) メスシリンダーの読み取り メスシリンダーの目盛りを読み取るときは、液面の最も低い位置を真横から見ます。図2では、目盛りの 18.0 cm³ を指しています。正解は です。
  • (6) 鉄の体積の計算 表1より、鉄の密度は 7.87g ÷ 1.0 cm³  = 7.87 g/ cm³ です。 100gの鉄の体積は、「質量 ÷ 密度」で求められるため、100 ÷ 7.87 = 12.706… となり、四捨五入して 12.7 cm³ です。
  • (7) 金メッキのメダルの銀の質量
    • 金の密度は19.3 g/cm³、金メッキの質量は7.72gなので、金の体積は 7.72 ÷ 19.3 = 0.4 cm³ です。
    • 全体の体積が39.2 cm³なので、中にある銀の体積は 39.2 – 0.4 = 38.8 cm³ です。
    • 銀の密度は10.5 g/cm³なので、銀の質量は 38.8 × 10.5 = 407.4 g となります。
  • (8) 原子数の比較
    • 先生の説明より、同じ数の原子が含まれる質量は、銅が64g、アルミニウムが27gです。
    • 表1より、それぞれの密度は銅が 4.48 ÷ 0.5 = 8.96 g/ cm³、アルミニウムが 8.10 ÷3.0 = 2.7 g/ cm³ です。
    • 同じ体積(例えば1 cm³)あたりの原子数を比べると:
      • 銅:8.96 ÷ 64 = 0.14(原子の単位量)
      • アルミニウム:2.7 ÷ 27 = 0.1(原子の単位量)
    • 0.14 ÷ 0.1 = 1.4 となります。
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