小学生の「算数」は極めて重要な知識である。
特に小4から小6にかけて学習する内容は、中学・高校で学習する数学や理科に大きな影響を及ぼします。
いきなりですが、下記は高校化学【センター試験 2009】の改題です。
質量パーセント濃度8.0%の水酸化ナトリウム水溶液の密度は1.1g/cm3である。この溶液100mlに含まれる水酸化ナトリウムの物質量は何molか。
この問題、不正解となってしまう高3生は意外に多い。
では、問題です。
・不正解だった高3生はいったい何がわからなかったのでしょう?
不正解だった全員が共通しています。
しかも、どこにも計算のあとが見られません。
最初から諦めてしまった?
努力はしてみたが、何も書くことができなかった?
上記のいずれかに「YES」と答えます。
実は、問題文の(赤色)の部分がわからなかったために、解くことができなかったのです。
質量パーセント濃度8.0%の水酸化ナトリウム水溶液の密度は1.1g/cm3である。この溶液100mlに含まれる水酸化ナトリウムの物質量は何molか。
そう、小学生の頃に習得済みの「体積」だったのです。
ちなみにこの問題文で登場する、高等教育で扱う単位は物質量「mol」だけである。
この問題を解くために、最初に使う知識は
1cm3 = 1ml (小学生で習う「単位の変換」)
つまり、密度は 1.1g/cm3 = 1.1g/ml
では、密度1.1g/ml は一体何を意味しているのでしょう?
「溶液1mlは1.1gの質量を持つ」という意味ですね。(中学1年生で習得)
問題文によると溶液は100ml。
よって、この100mlの溶液の質量は110gとなります。
それでは、いよいよ「質量パーセント濃度(%)」の登場です。
質量パーセント濃度(%)= 溶質(g)÷ 溶液(g)×100 ・・・♣
つまり、「溶液の質量に対する溶質の質量の割合」ですね。
(「割合」「濃度」は小学生の知識)
単に「濃度」と言われた場合、この「質量パーセント濃度(%)」を指します。
♣の式より
110g × 0.08 = 8.8g(溶液110gに含まれる溶質は8.8g)
くどくど書きましたが、あと少しで終了です。
ようやく、高校化学の知識が登場します。
H = 1 O = 16 Na = 23
水酸化ナトリウム NaOH =40
8.8g ÷ 40g/mol = 0.22mol・・・(答)
この問題を解く最初の知識は「小学生の頃に習ったもの」です。
その後も、小学生や中学生の時に習った知識を使って解き進めていく。
結論を出す時にようやく、高校生の知識が必要となる。
小学生の頃に習う「算数」が、大学入試の問題を解くために
重要な役割を担っていることは自明の理である。
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