理想気体と実在気体は化学Ⅱで、現在高3生が学習している内容である。
気体は見えないだけに、よく理解できていない子が多い。
「理想気体」ってなんだ??
「実在気体」との違いは??
理想気体の定義
★ 理想気体の状態方程式 PV = nRT にしたがう。
★ 実在しない仮想の気体であること。
★ 分子に大きさがないので高圧下では気体の体積が0!
★ 分子間に引力(分子間力)がはたらかない
実在気体の定義
★ 理想気体の状態方程式 PV = nRT にしたがわない。
★ 高温・低圧では理想気体と考えられる。
★ 分子に大きさがあるので高圧下では体積0にならない!
★ 分子間に引力(分子間力)がはたらく
理想気体と実在気体の差をまとめてみましたが、なんのことだかよくわからないと思います。
気体を勉強するうえで、最も大切なことは「理想気体」と「実在気体」をイメージ化できるかどうかである。この定義に見合った気体を図式化してしまうと、うまくいくでしょう。
そしていつも出題される理想気体と実在気体のグラフ
縦軸が PV/RT = n 、横軸がPのあのヘンテコグラフである。
理想気体はn = 1.0で一定だが、実在気体となるとなぜあんな怪しげなグラフになるのか?
酸素、メタンなんかはまず負の方向に①グラフが下がり、ある地点から突然、②正の方向に上がっていく。2次関数のようなグラフになっている。
水素、ヘリウムは徐々に上昇していく、1次関数のようなグラフになっている。
おおざっぱに言ってしまうと
①は分子間にはたらく引力が原因
②は分子の大きさが原因
ということは水素、ヘリウムは①の働きがなく②の現象のみが現れるということである。
じゃあ水素とヘリウムのグラフの傾きの違いはなぜでてくるのか?
水素の方が傾きが大きい。
分子の大きさが原因である。
分子の大きさは 水素 > ヘリウム である。
よって水素の方がヘリウムより傾きが大きくなっている。
酸素とメタンの違いは 分子間力・分子の大きさ 両方がからんでくる。
分子間力: 酸素 > メタン
分子の大きさ: 酸素 > メタン
ということは 酸素 のほうが2次関数の傾きが大きい感じのグラフになっているはずだ。
図がないからわかりにくいと思うが、分子間力の大小関係と分子の大きさの関係がわかれば自分でどんなグラフになるか想像がつく。
とにかく、理想気体と実在気体のイメージを作ってからじゃないと理解不能である。
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