偏差値について(2) 標準偏差とは➁

2020.11.24|ウインロード通信


 前回例として挙げた得点分布A:0点、5点、10点、70点、80点、80点、83点、84点、92点、96点

 

B:50点、52点、54点、60点、60点、60点、61点、61点、70点、72点を基に「バラつきの大きさ」

 

について述べていきます。


(1)平均との差(偏差)の合計

 

 話を簡単にするために3人が受けたテストの得点が \(a\)点、\(b\)点、\(c\)点で、平均点が \(\overline{x}\)点だったとしまし

 

ょう。すると、\(\overline{x}=\displaystyle\frac{a+b+c}{3}\) より \(3\overline{x}=a+b+c\) となります。その結果、平均との差(偏差)の

 

合計は、\((a-\overline{x})+(b-\overline{x})+(c-\overline{x})=a+b+c-3\overline{x}=0\) となります。つまり、どんなデー

 

タでも必ず0となって役に立ちません。

 

(2)平均との差(偏差)の絶対値の合計

 

データA:|0―60|+|5―60|+|10―60|+|70―60|+|80―60|+|80―60|+|83―60|+|84―60|

 

     +|92―60|+|96―60|=330

 

データB:|50-60|+|52―60|+|54―60|+|60―60|+|60―60|+|60―60|+|61―60|

 

     +|61―60|+|70―60|+|72―60|=48

 

何となく良さそうな感じですが、このままだとデータの総数が増えるほど値が大きくなります。

 

(3)偏差の絶対値の合計をデータの総数で割る

 

 (2)の値をデータの総数で割ってみましょう。データA:330÷10=33  データB:48÷10=4.8

 

データAの「バラつき」が大きいことを示すには、だいぶ良くなってきました。他のデータでも成り立

 

つか見てみましょう。

 

 データA’:30点、55点、60点、65点、90点     データB’:40点、45点、60点、75点、80点

 

A’の平均=(30+55+60+65+90)÷5=300÷5  B’の平均=(40+45+60+75+80)÷5=300÷5

                  =60                      =60
平均との差(偏差)の絶対値の合計をデータの総数で割った値は、それぞれ

 

A’:(|30―60|+|55―60|+|60―60|+|65―60|+|90―60|)÷5=70÷5=14

 

B’:(|40―60|+|45―60|+|60―60|+|75―60|+|80―60|)÷5=70÷5=14

 

となって、「バラつきの大きさ」が同じになってしまいます。

 

話が長くなりました。続きは次回に…                        文責:金藤

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