大学入学共通テストについて (8)理科はどう変わる? 理科①編

2020.11.12|ウインロード通信


 理科①の試行調査は2018年(平成30年)の1回のみでした。「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」

 

「地学基礎」から2科目選択で60分、時間配分は自由とセンター試験の科目選択・試験時間をそのま

 

ま踏襲しています。「地学基礎」は割愛しますが、以下に各科目の特徴をまとめています。

 

 「物理基礎」は、設問数が減ったものの、解答数が増え、問題文が長くなっているものがあるため、

 

実質的分量は変わりません。各大問の特徴は、第1問の問2が管楽器に関する考察の会話文の空所を埋

 

る問題であり、センター試験には無かったパターンです。第2問の問1・2では、文章中の数値やグ

 

ラフで与えられた実験データを使った数値計算が出題され、第3問は「ケーキを焼く」という身近な話

 

題を基にした電気と熱の問題でした。新しい出題形式に慣れれば、「物理基礎」の難易度はセンター試

 

験と大差ないと考えられます。

 

 「化学基礎」は、センター試験では小問集合形式で、大問数2の出題であったのに対し、試試行調査

 

では、特定の題材・テーマに関する大問または中問形式で、大問数3の出題に変わりました。また、全

 

ての大問で、リード文を読んだ上で、その題材・テーマに関する設問に答える形式が採られています。

 

特に第2問では、酸化数の算出方法について、教科書には記載のない考え方に関する資料を読み、それ

 

をもとに解答する問題が出されました。初見の内容であっても、問題文の資料から必要な情報を抽出・

 

整理し、それを設問の内容に当てはめて考える能力が要求されそうです。「化学基礎」は、かなり難化

 

する可能性があります。

 

 「生物基礎」の試行調査では、大問数3で変わりなく、マーク数19で少し増えました。大問ごとの

 

ABの小問では、いずれかが必ず会話形式のリード文となっています。この形式はセンター試験には見

 

られなかったものです。また、以前は見られなかった計算問題が出題されており、遺伝子、腎臓、生態

 

系の分野における計算問題の出題が予想されます。更に、穴埋めで用語の知識を問う問題が大幅に減少

 

しています。これらのことから、「生物基礎」の難易度は高くなると考えられます。

                                         文責:金藤

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