鶴見丘高校か青山高校か

2013.5.13|ウインロード通信

鶴見丘高校にするべきか、それとも青山高校にするべきか。

毎年、別府の中3生(というよりその保護者)が頭を悩ますのが受験する高校をどうするか、である。学年トップクラスで、なおかつ県模試で250点中200点を超えるような子たちは別府市内であれば鶴見丘高校が1番だし、体力的に問題がなければ大分市まで出て、県内トップ校の上野丘高校に進学し、県内中の猛者たちとしのぎを削るのも良いだろう。160点から190点くらいの子たちは鶴見丘で頑張った方が良い。大分市内に通うことになれば時間的な余裕は全くない。通学による疲れは慢性的な睡眠不足となって受験生を苦しめる。また200点以下だと学力的にも上野丘は難しいため悩む必要がない。

問題は150点くらいの生徒たちだ。模試によって130点~160点と点数が上下するので、鶴見丘高校だと本番で失敗すると不合格になりかねない。とはいえ、青山高校だと進学実績的に不安が残る。そう考える保護者の方も増えているし、塾関係者もそう思っている。それは決して間違いではない。

しかし、ここで逆に鶴見丘に通うデメリットも考えてみたい。

「えっ、そんなものがあるの?」と思われるかもしれないが、実はある。

それは生徒や保護者が国公立大を目指していない場合である。
鶴見丘高校はカリキュラムそのものが国公立大志望者向けなので、私立大や専門学校を目指す生徒には全く向いていない。理系で例えるなら数学ⅢCが受験で必要なくても、受験ぎりぎりまで授業はあるし、テストもある。実際にそうなってしまった子たちはかなり辛そうだった。そういう子たちは青山高校の方が負担は軽くて良かったかもしれない。

また、他の塾でどのような方針をとっているかは分からないが、うちの塾としては鶴見丘高校のボーダーは250点中160点だと考えている。160点以下でも絶対に合格しないとは言わないが、それ以下だと入っても学校の進度や内容についていけない可能性が高い。それに青山高校に比べて宿題の量も多く、難度も高い。中学のときはそこそこ上位だった子がみるみるうちに順位を下げていく。そうなった結果のモチベーションの低下は恐ろしい。高校内容は暗記の量も多く、センスだけでは超えられない壁があるからだ。

ではそのような生徒たちにウインロードではどうしているかというと、そうなるくらいなら青山高校でトップを狙いなさいと言っている。その方が国公立大の推薦ももらいやすいし、私立大の指定校やAO入試に有利となる。実は進学状況の多様性においては青山高校の方が勝っている。専門学校や短大、私大に行く子もいれば国公立大学を目指す子もいる青山高校では学力差が大きいため、塾や予備校などの学校以外のサポートが必要だが、それさえあれば鶴見丘高校に通うより良い結果になるかもしれない。

実際に今年のセンター試験では青山高校でセンター対策をしていた塾生の方が2次対策に追われていた上野丘、鶴見丘の生徒より高得点を獲ることができたのである。

以前あった鶴見丘高校の塾向け説明会でも進言したが、個人的には国公立大学への進学を目指す鶴見丘高校をはじめとする別府市の高校はもっとセンター対策に力を注ぐべきだと思っている。センター対策が1ヶ月で良いのは超難関大を目指す一握りの生徒たちだけだ。

学校選びとなると、ついつい進学実績などに目が行くが、それは誰が見ても分かることで、むしろ高1・2の生徒にどういう働きかけをしているのかといった地味なところにも目を向けておきたい。残念ながら難関大学への進学者数が多い学校に行けば、自分が、あるいは自分の子どもがそれらの学校へ進学できる確率が高くなるわけではない。どんな進学校でも学年順位の下位層は国公立大学に合格することは難しいのだから。

このように高校選びはもちろん大事なのだが、それ以上に自分の志望する方向に合った準備を高い意識を持って高1の春から備えることが大事だ。うちは高校生がかなり多いが、その多くは高1の終わりか高2くらいになってから来る。遅い子は高3の夏だが、それだとちょっと遅すぎる。1科目くらいならなんとかなっても、9科目そろえて大学受験で成功したいのなら早い方が良い。

個人的に最も大事な時期は最初の1年、高1のときだと思っている。例えば古文の助動詞などは上野丘や岩田の超上位層でもすべて覚えている子は稀だ。物理の基礎的な考え方や化学のモルなども最初で躓いている子が多い。センター試験にしても2次試験にしても本質なものの考え方ができていない子は点数がとれないように作っている。そこでの土台がしっかり築けていないのに大学受験も何もない。

また、学校や塾の先生が勧めてくださったからという理由で学校を決める方も少なくはないが、学校には学校の、塾には塾の思惑があることを忘れてはいけない。基本的には学校も塾も生徒を落としたくないため、安全策をとって志望校を下げる傾向にある。学校の方がその傾向は強いため、実際のレベルより下の高校を受けて後悔する生徒も多く見ているので、あくまでも自分が行きたいところに行くことが大事だ。自分の将来を左右しかねないのだから、他人任せにせず、自分がその学校に通うことになった場合のことをしっかり考えなければならない。

 

荘園校 戸高

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