「政治・経済」の試行調査は2018(H30)年の1回のみでした。従来のセンター試験と同様に全4題で
あり、マーク解答数は4問少ない30問でしたが、資料の読解・分析、事例の考察などに時間を要する設
問が大幅に増えています。高い学力を持つ受験生であっても制限時間(60分)内に全ての設問にきちんと
解答できる人は多くないと思われます。
出題内容は網羅的で、正解を得るために必要な知識は高校教科書の範囲を逸脱すものではありません
が、出題形式がセンター試験とは大きく異なっています。
センター試験では、大問ごとに特定のテーマの問題文がが示され、その文中の下線部に関する知識を
問う設問が出題されてきましたが、試行調査では大問ごとの問題文はなく、設問ごとにそれぞれの出題
テーマが示されています。また、センター試験では正誤選択の4択形式の設問が多くを占めましたが、
試行調査では大幅に減少し、語句や文章の正しい組合せを答える形式の設問が中心となっています。中
でも生徒の会話や意見を示し、それを基に考察する設問は、従来のセンター試験には見られなかったタ
イプです。更に、グラフ・図表などの資料が示されている設問が多くを占めていますが、センター試験
のように資料から読み取れることの正誤を問うのではなく、それぞれのグラフ・図表の意味を理解した
上でそこから読み取れる内容を事例に当てはめて考察するなど、手間がかかる設問となっています。
文責:金藤
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