フェノールフタレインが赤色から無色に戻ってしまう理由とは?(解答編)

2013.5.14|江本の化学勉強法シリーズ

フェノールフタレインが赤色に変色したあと無色になる理由は?

 

 

 

さて、考えてみましたか?まず、ヒントとして与えていた空気中にある気体のうち、どれが関わってくるかを考えてみよう。答えは「二酸化炭素」である。

 

 

 

では本題に入りましょうか。

 

 

 

フェノールフタレインは pH 8.3~9.8で変色する指示薬だ。この指示薬は主に弱酸を強塩基で中和滴定するときに登場します。中和点で赤色(薄いピンク色と言ったほうがいいかな?)に変色したとき、水溶液はわずかに塩基性を示す。  

空気中には「CO」が存在する。二酸化炭素は非金属 + 酸素の化合物なので酸性酸化物。水に溶けて炭酸になり、その一部が電離する。     

 

① CO + HO → HCO

 

② HCO → H+ + HCO  

 

③ OH- + CO2 → HCO3-

 

上の反応式のようにCOは水に溶けて弱酸性を示す。塩基性水溶液では中和反応を起こす。つまり、水酸化物イオンと次のように反応してpH を小さくするのです。

 

 

さてまとめてみましょう。

 

弱酸を強塩基で滴定すると、ほとんどの期間が酸性の水溶液である。この場合、二酸化炭素は水に溶けません。その理由は化学平衡を勉強するとわかるようになります。中和滴定を進めていくと、中和点付近ですこし塩基性になる。すると、③の反応が起こりやすくなる。

 

一度フェノールフタレインが赤色になっても、二酸化炭素が溶けて反応してpHが小さくなる。そして変色域から外れてしまい無色に戻ってしまうのです。

 

 

 

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